ちょっとお下品だけど愛情溢れる並木先生の冗談に、私は心から和み感謝した。
そしてさらに並木先生はちょっと笑える小ネタ?を教えてくれた。
「僕の妹もチャペルウェディングに憧れていたんだけどね、できなかったの。
妹の旦那ってのが、これがまたちょーっと変わった男でねぇ。
“あの人に愛は誓えない……”なんてことを言い出したんだと、妹に。
いわゆる無宗教だし、宗教的な問題ってわけじゃなかったらしいんだけどね。
結局は、親族や友達の前での人前式ってやつに落ち着いたんだけどね。
しかし“あの人”なんて言い方……ねぇ?
別に僕だって“あの人”の知り合いでも何でもないけど、なんか失礼だよねぇ」
「先生、いくらなんでもイエス様と知り合いだったら怖いです……」
「いや、並木先生なら案外本当は知り合いなのかもしれないよ?“あの人”とも」
「高野君、それは買いかぶりすぎだよぉ」
「あの、先生方……」
信者ではないけれど縁のある教会で永遠の愛を誓おうとしている寛行さんと私。
だけど――
きっと、神様だけじゃない。
温かく見守ってくれた家族や友人に。
そして、心強い助言と励ましをくれた恩師に。
祝福してくれたすべての人に誓うのだ。
私を生涯の伴侶として選んでくれた愛する彼とともに。