“衝撃の事実”発覚に鈴木詩織も驚愕!!
というところで――
「お待たせいたしました。先にお飲み物とお通しでございますぅ」
ちょうど飲み物が運ばれてきて一区切り。
「えーと、それでは、高野君と鈴木さんの婚約を祝して――」
ノリノリの並木先生の音頭で三人で乾杯。
そして――
ビールで喉を潤した並木先生は、かの有名な?純愛伝説について語り始めた。
照れながらも、やはりまんざらでもないという嬉しいそうな表情で……。
「ほら、昔はF女学院にも短大があったでしょ。僕の家内はF女短のOGなのよ」
現在では完全に四年制に移行して短大はなくなっているF女学院。
ちなみに今の国文学科は、短大にあった国文科を廃止して創設された学科らしい。
「僕がF女短で非常勤やってたときの学生だったのね。
あっ、一応言っとくけど、在学中は何にもなかったんだからね。
そりゃあまあねぇ、一目置いていたのは本当だけど……。
なにせ僕の家内は勉強熱心で優秀で、そのうえ美人だったから。
僕のことを慕ってくれて、すごく懐いてくれていたしね。
それでも……まさか、ねぇ?
いやぁ、結婚することになるなんて、正直思っても見なかったねぇ、自分でも」
真中君から聞いた話によると、たしか――
奥様の一途な想いに心打たれて、並木先生は自分の気持ちに素直になれたとか……。