それにしても――

いずれ並木先生にもきちんとご報告しなければと思ってはいたけれど、まさか……。

こんなに急に?しかも……こんなかたちになるなんて。

どうして寛行さんがこんなせっかちな行動に出たのか初めはわからなかった。

けれども――

「並木先生、奥様と先生の純愛伝説を彼女にも聞かせてあげていただけませんか?」

寛行さんと並木先生の会話の中で次第にそれは明らかになっていった。

「なんだい高野君。ご祝儀がわりに?それともクリスマスプレゼントにかい?」

「論文完成のご褒美と、それから……」

「?」

「素敵な結婚式を夢見る新婦へのアドバイスとして。お願いします」

「いや、まいったねぇ」

困ったと言いつつ、まんざらでもなさそうな表情の並木先生。

そんな先生を微笑ましく眺めつつ、寛行さんはある事実を私に教えてくれた。

「並木先生の奥様は君と同じF女学院のOGなんだよ」

「えっ!」

そして、さらに驚くことに――

「先生御夫妻はね、F女学院の礼拝堂で結婚式をされたんだよ。ですよね?先生?」

ええーっ!?な、なんという!!