いきなりの“パンチラ”ネタに思わず苦笑。

「チラリズムの話なんてされても、ちょっと困っちゃうんですけど」

「まあまあまあ」

そうして寛行さんは“ここだけの話だけど”と、とっておきのネタ?を教えてくれた。

「実はね、あの礼拝堂でOGと結婚式を挙げてる教員って、けっこういるんだよ」

「そうなの???」

「ただし、ほとんどが中等科や高等科の人みたいだけど」

「へぇー」

「僕、それを聞いたとき思わず考えてしまったよ」

「何を?」

「僕の講義を聞いてる学生の中にもいるのかなぁって」

「中学とか高校のときの先生と付き合っている女の子?」

「そっ。生徒でなくなれば自由だからね、中学や高校の先生と恋愛するのも」

「そりゃあ、卒業しちゃえば……って、私と寛行さんも同じ?」

「うーん。僕がY大で君に会ったときは、ほとんど後輩って感じだったけどね」

「ふーん」

「とにかく――僕らが大学の礼拝堂で結婚式を挙げても何ら問題はありません」

「ハイ」

「ふむ、よろしい。いいお返事だね」

寛行さんはそう言って私の頭をくしゃりと優しく撫でてくれた。