しかしまあ、結婚式への思いにこれほど男女で温度差があるとは……。
「それでも結婚式をやるのには、男として立派な理由があるからで――」
「彼女のため?」
「そういうこと。恩を着せたいわけじゃないよ。でも、事実はそう。
世の中の男たちは、愛する彼女の喜ぶ顔を見たいから頑張るわけです」
「そうなんだ」
「だからね――」
「?」
「結婚式のことで、君が我慢したり諦めたりしたら意味がないんだよ。わかるね?」
「うん……」
こんなに優しく微笑まれて、わからないわけないじゃない。
「僕のことは大丈夫」
「ほんとうに?」
「うん。かえってさ、堂々と結婚式したほうがいいと思うんだよ。ばばーん!とね」
「そうなの???」
「そっ。ほら、女の子の胸とかパンツとかと一緒だよ」
「は?」
「中途半端に隠されて時々チラチラ見えたりするとすごーく気になるでしょ。
だけど、じゃじゃーん!って全部見せられると、なんか興ざめ?みたいな」
「なんつう例えしてんですか……」
「だから、チラチラコソコソされると気になってあれこれ色々想像しちゃうって事。
けど、あけすけに見せられるとさ、意外と“なーんだ”って感じになるわけ。
興味をそそられないっていうか、白けてしまうというか。それと一緒だよ」
「一緒って……」