ああぁぁ、暑い。
サウナじゃん!
蝉の鳴き声にエコーがかかり、太陽がじりじり地面を焼いている。
本当にアイスクリームみたいに溶けそうだ。
私は帽子を深く被りなおした。
緩めすぎないように気をつけながら、蛇口をひねり水を出した。
体の節々が、ぽきぽき言う。
運動不足だなぁ。
家の前の道に少しずつ水をかけていく。
湯気が出そう。
右手をかざしたら、ほのかに涼しい。
ほう、マイナスイオン?
水に触ったら、冷たくて気持ちよかった。
少し調子に乗って、鼻歌なんぞを歌い出した私。
この暑さじゃ、恋だの、愛だの考える気分じゃないな、なんて色気のない事を考えていた時だった。