男の人は、彼だけじゃない。

私はふと、さっちゃんが言ってた男の子のことを思い出した。


コンビ二に飲み物を買いに出かけついでに、さっちゃんに電話をかけた。



「えっ?この前の話?」

「うん!やっぱり、紹介してもらおうかなと思って…もう遅い?」

「いやぁ、全然遅くないけどさ。どうしたの?何か頑張るって張り切ってたけど」

「うん。いいの」

「ふーん、あんた大丈夫?何かあったんじゃないの?」



う、さすがさっちゃん、

鋭い。



「ぜんっぜん!何もなくて超ヒマ。だから、その子のアドレス送って?」

「そっか。分かった。じゃあ送っとくね~。名前は遠藤って言ってさぁ…」



遠藤くんがどういう男の子なのか、さっちゃんは簡単に説明した。

でも、ぼーっとしててミスチルが好きで、サッカーやってるって事しか聞き取れなかった。



遠藤くんと仲良く喋ってたら、きっと彼のことは忘れられる。


恋に振り回される自分が、何だか滑稽に思えた。