人は駅に集まる。


彼は多分大学生か専門学生だろうから、とりあえず駅は使うだろう。

学生じゃなくたって使うだろうから、一番確実だと思った。



彼が使うのは、多分東口だ。

東口の階段の傍のベンチに座り、ひたすら彼を待つことにした。



(この前は、本当にごめんなさい。

せめてお詫びさせてください)



その一言を言うだけだ。


でもどうしよう。



偶然を装うか、それとも素直に待ち伏せしていたことにするか。

もう二十分くらい経ったろうな、と思って時計を見たら、まだ十分も経ってなかった。