ああああ、もう!
会いたい!
話がしたい!
名前が知りたい!
笑ってくれてコケッコウだ!
会いたくて、会いたくて、もうどうしようもなくて、地団駄踏んで、太陽に向かってバカ野郎って叫んで、道の真ん中で転がりたい気分よ。
私はもう、彼を一生見ることはないんじゃないだろうか…
そんなひやっとする考えが脳裏に浮かんだ。
そんなの絶対嫌だ。
でも、私と彼を繋ぐものなんて何もないのだ。
俯いた。
足元のアリを見つめた。
もうだめだ。
会えない。
一生会えない。
細い繋がりの糸も切れたんだ。
泣きそう、と思った。
だけど、その時、風が吹いたのだ。
体中が一瞬で熱くなった。