唯はハンカチで涙を拭いながら一つ一つ言葉を選ぶように話した。 「唯辛かったね」 私は私の知らない唯が辛い思いを抱えてたことを初めて知った。涙ながらに話す唯を見ていると、過ぎたことでも許せない気持ちとその悲しみの気持ちが流れるように伝わってきた気がした。 「その助けてくれた怜治君が死んじゃったの」 「えっ?」 「病気とかじゃなくて…自殺してたの…昨日の夜それを知った」