唯はハッと我に返り「あっごめん。少し驚いただけ」と言いながら左腕をかばうようにしていた右手を離した。でも驚いたにしては過剰な痛がる様子に見えた。私はもう一度唯の左手を軽く触る程度に掴んだ。

「いたっ」

唯は私の手を再び振りほどき、再び右手で左腕を押さえていた。

「唯…やっぱり怪我してるでしょ?」