「唯~。何もないところで転ばないでよ~。」

私は笑いながらお手拭で唯の左袖を拭こうしたが、唯はそれを避けるようによけた。

「拭かないと染みになっちゃうよ」

私は唯の左手を取った。

「いたっ。流華痛いよっ」

唯は私を跳ね飛ばすように手を振りほどいた。