「私…離れた中学校からは連絡とか遊んだりしてなかったので…」

唯が素直に話すとお母さんは「変なことを聞いてしまってすみません」と唯に頭を下げて、もう少し聞きたいと、唯が虐められてるときに助けてくれたときの息子のことを聞いていた。
親の知らない我が子がどう生きてきたのか…それを知る為に。もういない我が子の勇士を知りたかったのかもしれない。思い出に色をつけて、自分の知らない息子の姿を…知りたくて、そして「その為に」生まれてきた。そう思おうとしているように私は感じた。

そして私達はその家を後にした。