すまなそうな顔で、頭をひょこんと下げる。


「すみません、今忙しいそうで、あとで来ますって」


「別に、看護師さんじゃなくてもいいのよ。

あなたがやってちょうだいな」


彼女の一連の行動を見て、私はすぐにピンと来た。


「私がやってあげますよ」


痛むお腹を押さえながら、私は起き上がっておばあちゃんのベッドに近づく。

いいのよ、と遠慮する声にもかまわず、ベッドの脇にあるレバーを操作した。


看護補助の女性は、すみません、と言いながらも、手を出そうとはしない。

その様子を見ていた、向かい側に寝ている山下さんが、文句をつけた。


「ちょっと、あんた!

なんでそれくらいやってあげないの!

私たちは入院患者なのよ!職務怠慢でしょうが!!」