午前中の外来を、なんとかこなしたものの、

お腹の痛みは、激しさを増すばかりだ。


「ちょっと、夏夜!あんた、絶対おかしいって。

師長には、私が言ってあげるから、先生にかかりなよ」


里佳子が、私を覗きこむ顔が、いつになく真剣で。

多分、私は、蒼白な顔色をしているのだろうと思った。


確かに、胃痛にしては、少し変だ。

でも。



・・今日、外来に出ているのは。



診てもらえそうな、先生を探す。


「やっぱ、今日はいいや。

明日、海東(かいとう)先生が来たら診てもらうよ」


「かやの気持ちもわかるけどさ。

でも、ちょっと尋常じゃないって!

どんなのでも、医者は医者なんだから、かかったほうがいいよ!」


私の耳に、小さな声で、強く訴える里佳子。