・・まぁ、人にはそれぞれの生き方があるから、私がとやかく言う必要もないけど。



私は人の流れとは反対の方向へと、つま先を向けた。



・・さて、帰って勉強しなきゃ。



准看の学校に無事合格した私は、昼間は病院で看護助手の仕事を、夜は学校で看護の勉強をしている。


昼間の准看学校は2年で卒業できるが、私の通う夜間は3年かかって卒業する。

肉体的にもかなり厳しいが、生活費を稼げることに加え、病院でお礼奉公をすれば修学費用が免除されるなどの利点があり。

そういう点で言えば、かなり恵まれている。


もっとも、必死で勉強しなければ卒業させてもらえないため、

私は今、人生でもっとも頭を使っていると言っても過言ではない。

入学はゴールではなく、スタートなのだから当然と言えば当然か。


未来の地図を描き始めたことが、私の精神に与えた影響は大きい。

私はすでに、次の目標を心の中で定めていた。


3年後、准看護師の試験に合格したら。



・・亮雅に会いに行く。



頼るためではなく、自立した女になって、もう一度、自分の気持ちを確かめるんだ--。