このまま地震が起きて、二人で埋もれてしまえばいいのに。

そんな突拍子のない考えが浮かんでくる私の心は、すでに狂っているのだろうか。

仲地の返事を待つ間、瓦礫にうずもれて沈んでいく二人の姿を想像した。


ああ、そう言えば、と言いながら、いやらしい笑みを浮かべて、亮雅は足を組んだ。


「酔っ払って道端で寝転んだ女を拾って、マンションまで運んでやった覚えはあるな。

男と飲むのはいいが、限度を考えるんだな」


「酔っ払ったんじゃありません。薬を飲まされたんです。

あの眠気は異常でした。多分、アルコールと一緒に摂取したせいです」


犯罪まがいの内容を訴えても、亮雅は眉一つ動かさない。

あまりにも動かない表情が、かえって彼がこの件に関わっていると私に確信を与えた。

それでも、私にはそれを証明する手立てはない。

想像は、あくまで想像にしか過ぎず。


「さっき、私を拉致した二人組みに会いました」


最後の切り札のつもりで、彼らの話を出した瞬間。


「なんだと!!どこでだ? 何をされた!?」


突然立ち上がった亮雅が、私の両肘を力任せに掴んだ。

スツールの転がる音が、耳につく。