地下1階にある更衣室は、酷く狭い。
増員に伴って、継ぎ足してきたから、仕方ないけど。
私が制服に着替え終わった頃、
「おはよ~。夏夜。
今日はどうしたの?いつも一番乗りなのに」
眠そうな声がかかる。
「おはよう。里佳子(りかこ)。
実は、色々あってさ。後で聞いてよ。
それよりも、気が重くって」
私の言葉に、里佳子は、はぁ~って、ため息をついた。
「だって、・・・じゃん?」
「だよね・・・」
私たちは、二人向かい合って、もう一度、一緒に深いため息をついた。
「っつ!」
「どうした?」
私がお腹を抱えたのを見て、里佳子が着替えの手をとめる。
「うん。朝からちょっと、おなか痛くて」
「それって、精神的にじゃないの?」
「多分ね。胃薬飲んできたんだけど」
このときは、そんなにたいした痛みじゃなかった。
それが、あんな苦しいめを見るなんて、
このときの私は、思ってもみなかった・・・。