・・ん?アルバム、かな?



箱の中は、なにやらいくつかのファイルが収まっている。

茶色い背表紙をしたそれは、よく文房具屋さんで見るスクラップブックのようだ。


ひょっとしたら、昔の彼女との記念品を、女々しくとってあったりして。

むくむくとわきあがった好奇心を押さえきれず、隙間から中を覗くと、

何かの記事をスクラップしてあるのがみえた。


亮雅のことだから、医療に関する記事なんかをとってあるのかもしれない。

なんだ、とがっかりしながらも、胸をなでおろしている自分がいて複雑だ。


学会にでも使うのかな、なんて気軽に考えて、1冊を手に取り中を開いた。



・・え?



ストップボタンでも押されたように、私の動きが、とまる。

急速に鼓動が高鳴って、胸が締め付けられる。

目に映った情報を、うまく脳内で処理できない。


そこにあったのは、古ぼけた新聞記事。

そのことからも、それが最近図書館などで取ったコピーでないことは明白だ。


箱をクローゼットから引っ張り出すと、すべてのファイルを乱暴に開いた。

いくつもあるファイルの中身は、すべて一つのことに関する内容で埋められていた。