病院には、魔の季節が存在する。

それは、多分、大きな病院だからこそ起こる、特殊な状況だ。


救急外来にかからないほうがいいというのは、最近よくテレビで取り上げられることも多いので、

知っている人も少しずつ増えてきている。

理由は、人手不足からくる研修医の導入や、専門医の不在などだ。

外傷を泌尿器科の医師が診察するなんてことは、ざらにある。


4月やGWは、一年でもっとも危険な時期だ。

医師、看護師、受付に至るまで、人事異動や新人の配置などでミスがおきやすい。

そして、9月。

このあたりも、実は危なかったりする。


なんで9月?

そう思うのは、至極当然だと思う。特に9月という月に特別な響きを感じる人は少ないだろう。


でも、実は9月というのは、やはり移動の季節なのだ。

研修医は、いくつかの診療科をぐるぐると回っていくため、その切れ目が9月に来ることも多い。

それは、看護師や事務員も同じで、4月ほどの数はいなくても、

中途採用や、人事異動が行われることがおうおうにしてある。


けれど、私が危険だと思うのは、それとは別の理由からだ。