「じゃあ!お先に!また明日ね!」
「里佳子!」
「そうそう。もし仲地が私の見込み違いだったら、
私がぼこぼこにしてあげるよ。
ナースやクラークから、総スカン食らう位にさ!」
そのまま、里佳子は足早に駅へと向かう。
ありがとう、と背中に声をかけると、振り向かないまま、
高く掲げられた右手が、左右に振られた。
・・ありがとう、里佳子。
里佳子の思っているような関係になることはないけれど、
彼女の思いやりが嬉しかった。
携帯の振動は、いったん止まったかと思ったら、
再びふるふると存在を主張し始めた。
今度は、メールだ。
中身を見ると、タイトルに見覚えのある文字。
「コード・イエロー・・・・か」
私は一度上がりきった階段を、再び下り始めた。