べたつく汗が、妙に生々しい。

過去と現在の境界線が、あいまいになったような気分にさせられる。

それを振り払うように、一気にパジャマを脱いで、洗濯機に投げ入れた。


こんな時間にシャワーを浴びたら、また近所の住民から苦情が来るだろう。

そうわかっていても、熱いお湯を頭からいっぱいに浴びたかった。


そんなことをしても、過去を洗い流すことなどできやしないとわかっているのだが。


ふと、手首が黒ずんでいるのに気づく。

何の汚れだろう。

石鹸をつけてこすろうとした瞬間、痛みが電撃のようにはしった。



・・そうか、これ、昨夜の痕だ。



仲地に握られてついたんだろう。

青黒いしみのようなあざが、浮かび上がっている。


まるで、手錠みたいだな、と思った。

地獄の牢から逃げ出せないように、つけられた印。





私に、お似合いだ。