「お、香奈じゃん!!」
しばらく公園のベンチに座って、ボーっとその光景を眺めていた私。
どれくらい時間がたったのか分かんないけど。
多分数分なんだと思うけど。
不意に公園の外から掛けられた声に。
視線を送って、誰かなんて、確認するまでもなく。
私の心臓はドキって波打つ。
わっ……
どうしよう?!
今日は朝から、メイク直してないし。
この気温で肌はきっとテカってるし。
さっき、ちょっとだけ涙流したし…
今、会える状態じゃないんだけど!!
こっち来てるよね??
そんな私の焦った様子とか。
ガールズマインドなんか、お構いなしで。
声の“彼”がゆっくりと私に近づいてくるのが分かる。