ピピピピ‥‥
ピピピピ‥‥
ピピピピ‥‥
「ん~‥‥‥」
あれ?
もう朝?早くない?
二度寝したい気持ちを抑え、起きて真新しい制服に身を包む。
私は増田実莉奈。
今年中学生になる13歳。
両親を6歳のころに亡くし、今は、23歳の姉の家に居候中。
昨日緊張してよく寝れなかった‥‥眠っ‥‥‥。
髪をいつも以上に念入りにセットし、バレない程度に軽くメイクをすます。
スカートの丈は出来るだけ短く。
え?
なんで入学式にこんなに気合いをいれるかって?
そりゃもちろん!
好きな人がいるから!
同じ小学校で同じクラスだった向田龍雅くん!
龍雅くんは‥‥
カッコよくて、優しくて、頭がよくて、スポーツが出来て!
もう私が大好きな人。
「龍雅くん、なんて言ってくれるかなぁ?」
「鏡の前でなにニヤニヤしてんだよ」
うげ!
「空、、、!!」
私の部屋の入り口で、
腕を組んで偉そうにするこの男、、、。
私の幼馴染の上田空。
「なぁにが、『龍雅くん』だ!!
龍雅のどこがカッコいいんだか、、、」
「嫌味いってるあんたより
何千倍もカッコいいわよ!!」
空と龍雅くんはメチャクチャモテる。
なんたって、運動神経抜群な男子は
カッコいいわけですよ!!!
「小学生が、中学生になったぐらいで
そんなに背伸びしてどうすんだよ、、、」
「いいでしょ!?
第一、なんであんたが家にいるの!?」
そうだよ!!
なんで朝から空が家にいるの!?
「それは、、、!」
急に顔を真っ赤にして焦る空。
何?
「それは?」
すうっと、深呼吸して自分を落ち着かせると、
「お前の馬鹿な面を拝みに来てやったんだよ!!」
ドスッ
「いってぇぇぇぇぇえぇぇ!!」
「いい気味!!」
もちろん空の腹部に、
蹴り入れましたぁ!!
すっきりした♪
「ぐッ!!
さすが空手やってただけあるよな、、、」
ドスッ
「ぐえッ!」
もう一発♪
「さ!もう行こうっと♪」
倒れてピクピクしている空を無視して、
鏡の前で最終チェックをして家を出た。
空がこんなことを言っていたとも知らずに、、、
「なんでだよ、、、
俺のこと、、、見ろよ、、、」
学校に着くと、
校門で親友が待っていた。
「実莉奈!!」
「夢!!」
彼女は矢崎夢。
夢も空と同じで幼馴染!
3人で昔からよく遊んでたの。
「気合い入ってるねえ、、、
龍雅くんと同じクラスだといいね!」
「うん!」
2人でクラス表を見るために、
校舎へ向かって歩く。
「そういえばさ!
実莉奈知ってる?この学校の秘密!」
ひみつぅ?
なんだそれ、、、
「知らないんだね、、、」
「うん。なにそれ?」
「あのね、、、
この苺中学校は、
結構、お金があって高校のようにたくさんの設備があるの。
そんな設備の中に、運動神経がいい人だけが入れる部活、
フリー部ってのがあるのよ。
そのフリー部がなにすんだかわかんないけど、
選ばれた7人は、特別クラスが用意されて、
学校の寮で生活するの。
その特別クラスには、
ここで結ばれた人々の名前が示された
一冊の本があるのよ!!
その本を見つけて、
この学校の校長に持ってくと、
あるものがあたえられるんだって!!
でも、不思議なことに
その本は異性と探さないと
絶対に見つからないんだって」
なにその意味わかんない話。
この苺中学校にはそんな話があったわけ!?
私、学校が可愛い名前だし、龍雅くんが行くって
聞いたから、必死に勉強して入ったのに!!
まあ、、、
よく校舎とか見ないで来たけど、、、
でかすぎる、、、。
だからこの中学校だけ
高校みたいに受験があったんだ、、、。
おかしいと思ったよ、、、。