「…だったら少し分けてよ。」

私の不機嫌な呟きは

「17位は黙ってろ。」

この言葉に弾かれた。


17位とは私のこの前の期末テストの順位。

…良いとも悪いとも言えない。

ちなみに彼は常にクラスのトップなのでまた何も言い返せない。


「…………。」


何で晃みたいなのと一緒に花火大会に来てしまったのかと今更ながら後悔した。


「ほら、もう行くぞ。」

小さく溜め息をついていた私に彼が話しかける。

手には黒の出目金と赤の和金が泳ぐ袋を持っていた。


「…うん。」

愛想のない返事をして立ち上がる。

「お姉さん。金魚忘れてるぞ。」

「え?」

あ、金魚すくえなくても三匹貰えるんだった。