…お母さん



なんだか一瞬、自分の知っている母でないような気がして、怖い…いや、悲しくなった



「ふぅ…、、
ねぇ、愛結。あなたの一昨年の誕生日のこと覚えてる?」



一息吐くと、母はあたしに訊ねてきた




一昨年の誕生日…


一昨年の誕生日は…


たしか…


あたしのワガママを聞いてもらって、こっから三時間もかかる日本一大きな遊園地に亜希と行ったはず…




「覚えてるよ!そこで、亜希とアイスたべて、バイキング、メリーゴーランド、観覧車、ジェットコースターに乗ったっけ

…あっ、ジェットコースターには乗ってないや」



というと、母はクスッと笑った



「そーよ、あんた、ジェットコースター苦手ぢゃない」



昔は好きだったんだけどね、ジェットコースター。


いつからか、乗らなくなった




「あはは、そーだよね」



良かった、いつもの母だ

心の中でそっと胸を撫で下ろした