あたしは腕で涙をゴシゴシ拭く
「あのね、お母さん。あたし、時々変な光景を見るんだ」
たまに脳裏に浮かんでくるものの話を面白可笑しく話した
実際、深刻な問題ではあったが、今はそれしか思いつかなかった
「でね、ほんと汗だらだらになったり大変なんだからぁー(笑」
あたしはケタケタ笑った
…が、
ガシャンッッ!!!!!
…え?お母さん?
マグカップの割れる音が部屋に響く
床にはマグカップの破片と中に入っていたはずのホットココアが床には飛び散っていた
見上げれば、血の気が引いている母の青い顔があった
手が微かに震えている
「……お母さん?」
心配になって母の顔を覗き込んだ