あたしがうつむいた
ままでいると
小さな舌打ちが聞こえ…
カチャ…
パアンッ!
「ふう…危なかった」
「は、ハリーさん…」
あたしと美柚さんは
危機一髪、
ハリーさんに
抱えられていた。
「由羅ちゃん。
美柚にはオレが
着いてる。
だからこの女は
オレたちにまかせて…
早く行きな」
「そうよ…。
あなたは人間界に
帰るべきだわ」
「そんな…
美柚さんだって
人間じゃないですか!」
「ばかね…。
あたしはいいの。
あたしはハリーに
着いて行くと
決めたんだから…」
美柚さん…。
「さあ!早く行け!
オウガが待ってる!」
あたしは力強く
頷くと、振り向かずに
走った。
ありがとう…
美柚さん、ハリーさん…!