「………え…?」





美柚さんに
押しのけられた
あたしが

振り返って
目にしたものは…





「美…ゆ、ず…さん??」





地面にうずくまって
いる美柚さんだった。



腹部は赤くにじんでいる。





「由、羅ちゃん…
早く…逃げて…。
この先で、オウガ君が…
待って、る…から…」

「だって…美柚さん…」



自然と目に溜まる涙。



あたしのせいだ…。

あたしがいつまでも
判断しないから…。



「あーあ。
まだしゃべれるんだ」