妃奈さんと美柚さんを
交互に行き交う
あたしの視線。





こんな時でも



どっちも信じてるから
決められないん
じゃなくて、


どっちも疑うことしか
できないなんて…。



つくづくあたしッて
いやな人間…。





「由羅ちゃん!早く!」



美柚さんの声で
ハッと我にかえる。



それと同時に
あたしの中に
何かが浮かんだ。



美柚さんを信じよう



あたしが走り出すと
同時に妃奈さんの
腕が上がった。





「由羅ちゃん!!
危ないッ!!!」





パアンッ!