「さあッ!
いつまでもここに
いるわけに
いかないでしょう?」
「あ、うん…」
手をひかれ
歩き出した時
茂みから声がした。
「由羅ちゃん!
手を離して!」
なんとそこに
現れたのは
美柚さんだった。
「由羅ちゃん!
そいつはあのレンの
パートナーよ!?
あなたを捕まえて
オウガ君を罠に
はめるつもりなの!」
「え…でも…」
チラリと妃奈さんを
見やるとまっすぐに
あたしを見ている。
「そんな…
由羅さん、あたしを
信じてください!」
か弱そうな外見と
裏腹に、しっかりと
握られているあたしの腕。