冬の夜 わたしは独りで闇を駆け抜ける 宛もなく彷徨うように 「はぁ はぁ」 息を切らして 「はぁ はぁ」 明るい未来は見えない 「はぁ はぁ」 待つのは暗い未来のみ ガシャン・・・ 力尽きて工事現場を囲む黄色いフェンスに もたれ掛かる 吐く息が白く身震いする でも 何も感じない 否。何も感じれない 感じる余裕すらない 何もかも一瞬にして奪われた 全て・・・ 取り戻せない・・・