中に入ると

綺麗に片付けられた

いつもの苗場との

密会の部屋。


彼からの話を

これ以上聞くのが躊躇われた。


「こっちに来て。」

彼は奥のベッドルームに

入ってゆく。


「ほら、見てごらん。」


そうして指さした

サイドテーブルの

スタンドの裏側から

何かを手に握った。


そこには小指の先ほどの

小さなマイクロチップのような

ものがあった。