それから彼の口から出た

数々の言葉は

私を奈落の底に突き落とすには

十分すぎるものだった。


「僕はある企業に雇われた

いわばスパイだ。

苗場さんの行動を

徹底的に調べ上げ

勿論私生活までも・・・

そして最終的に潰すのが

課せられた使命だった。

半年前から

苗場さんを張っていた。

だからこのレストランも

会社もすべて・・・

貴方の存在も含めて

僕は彼を知り尽くしている

因果な仕事だけれど・・・」