「そうなんだ。

シェフには会えなかったけど

とても感じがよくて

子供を連れて行ったのに

嫌な顔もされなくて

メニュー以外の物作ってくれたり

心使いが嬉しかったわ。

そこにしようかと思って

取材申し込んだんだけど・・」


「今、結構口込みで人気あるから

難しいかもしれませんね~?

他の雑誌社も狙ってるかも。」


そう聞いて不安になったが

まあ、待つしかない。

そう聞いたからには

噂のシェフに是非とも

会ってみたくなった。


あの懐かしく暖かい味が浮かんだ。


どんな青年が作っているんだろう?


その時、携帯がなった。


<ル・ラゴンです。

昨日はご来店ありがとうございました

取材の件ですが、お受けいたします。

つきましては、

定休日の火曜午後1時に

お待ち申しあげております。

支配人。。。上野>


あの店からのメールだった。


「やったよ!取材オッケーだって。」


凛は逸る気持ちで

食後のコーヒーを飲み干した。