周りを見渡してみたが

空席の目立つデスクに

残ってるスタッフはみんな

忙しそうに電話しているか

パソコンに向かってにらめっこ。


「おあいにく!

悪いわね~。凛ちゃん。

みんな来週の締め切りで

手一杯のようね?」


申し訳なさそうに言う

鬼編集長は慈悲もない。


あ~あ。。。と溜息をついて


「わかりました。

これから寄って直帰します。」


そう言って凛は薄手のコートを

羽織って、社を後にした。