そうして二人は慌てて

家を飛び出した。


あれから、凛は

雑誌のコラムを任されるようになり

収入も安定してきた。


1DKの部屋は少し手狭になり

引越しも考えている。


でもなかなかここを離れる決心が

つかないのは


ある人を待っているから・・・


3年半もの間待ち続けた。


勿論携帯も番号は変えていない。


「私も案外未練がましいな・・」


凛はふっとため息をついた。


その執念が今の自分を

支えているのだけれど・・・