バッグの中で

携帯が振動した。


母だ。

<体に気をつけてね。

ちゃんと苗場さんに

ついてゆくように・・・

幸せにね!

いってらっしゃい。>


パタンと閉まって余計

落ち込んだ。

もう、変えることなんて

できない。


何もかもがゆっくりと

私を運んでゆく。


みんなに祝福された道の上を

歩いてゆくしかない・・・