急な知らせで

駆けつけた時には

もう意識がなかったから

ちゃんと向き合うのは

これが最後だった。


みんなお別れしたくないのに

しなくちゃいけない日が訪れる。


それが生きている者の

宿命なのかもしれない。


実麗は、まだ何もわからず

笑っている陽南子に語りかけた。


「ねえ、陽南ちゃん、

お婆ちゃんとお別れするの。

私の大好きだった人・・・

まるでお母さんのように

暖かかった・・・」


実麗は堪えていた涙が

溢れ出すのを止められなかった。


回りですすり泣く声が聞こえた。