美恵子が赤ん坊に

頬擦りしながら言った。


「陽南子、

貴方はきっと幸せになるのよ。

こんなに沢山の幸せを

私達に運んでくれたんだもの。

私は一人しか生んで

あげられなかったけれど

兄弟を生んでもらって

健やかに育ってね。

向日葵のように逞しく・・・」


みんなも、光と葵を思って

それぞれにうなずいた。


美恵子はそっと

生まれたばかりのまだ目も

開かない陽南子のほっぺに

くちづけた。


「これは、お婆ちゃんからの

約束のキスよ。

きっと、幸せにね・・・」


実麗はその姿に目頭が熱くなった。