翌年、実麗は
女の子を産んだ。
まだ春になる前の
寒い季節だったが
難産の末生まれたその子に
二人は「陽南子」と名づけた。
それは、母美恵子の
大好きな向日葵のように
太陽に向かって
明るく逞しく生きてほしいと
願ってつけた名前だった。
美恵子は入退院を繰り返していたが
実麗の退院の日は
みんなで集まりお祝いをした。
床の間に習字で書かれた
「陽南子」という名前が
飾られた。
美恵子も体調が良く
一時的に退院を許されていた。
女の子を産んだ。
まだ春になる前の
寒い季節だったが
難産の末生まれたその子に
二人は「陽南子」と名づけた。
それは、母美恵子の
大好きな向日葵のように
太陽に向かって
明るく逞しく生きてほしいと
願ってつけた名前だった。
美恵子は入退院を繰り返していたが
実麗の退院の日は
みんなで集まりお祝いをした。
床の間に習字で書かれた
「陽南子」という名前が
飾られた。
美恵子も体調が良く
一時的に退院を許されていた。