実麗は、こっくりと頷いた。


美恵子の病院に着いた時

もう正午になっていた。


美恵子に会うのは

光と一緒に初めて行った時と

光が入院してからの二度だったが

まるで昔から知ってるような

懐かしい感覚を覚えた。


それは母の温もりに似ていた。


美恵子の発するオーラが

いつも変わらず温かく

実麗を迎えてくれるのだった。


「お母さん、

葵君を見つけて今警察に

送りました。

彼は出頭したんです。

私、葵君と話してて思わず

葵君にこの前聞いた話

してしまって・・・

本当にごめんなさい。」


実麗は頭を下げた。


美恵子は顔はガラス越しの

柔らかい光に照らされて

ほのかに白く浮かび上がり

ニッコリと微笑んでみせたが

この前より痩せた気がした。