二人はその昇ってゆく

眩しい太陽に目を奪われた。


ここでしか見られない

何にも邪魔されない大きな

逞しい太陽を・・・


「俺、初めてだ・・・」


実麗はくっきりと映し出された

葵の表情を見た。


初めて見た時よりも

幼く素直な葵の横顔があった。


大きな自然の前では

誰もが子供になれるのだろう。


「綺麗ね~!」


「うん。」


太陽が地平線を照らし尽くし

その姿を晒し出すまでの間

二人は無言で膝を抱え

ずっと見ていた。


波は穏やかに同じリズムを

繰り返し、打っていた。


遠くにサーファーの影が見えた。