ソレイユの丘を越えて

大根畑の間を通り抜け

少し行くと

カフェ・レストランがあった。


海に突き出したウッドデッキと

畳まれたパラソルに

白いテーブルと椅子。

その横にプールがあり

白い建物と蘇鉄の木が

南国の雰囲気をかもし出している


ここは道路に面していないので

あまり誰も知らない。

大学のヨット部で

使っていた場所だ。


店はまだ開いていないが

横の小道から砂浜に下りれた。


実麗は慣れた様子で

木々を掻き分け進んだ。


砂浜に出るとちょうど

東の空が明るみ始め

太陽がオレンジの光を伴い

朝を運んでくる時間だった。


誰もいない海岸に

小さな船が忘れられていた。


二人は砂浜に座った。