「そうじゃの。

あいつは、父親に似て強い。

いや、美恵子さんに似てじゃの?」


ははっと笑って腰を下ろした。


「すっかり夏じゃ。

また台風の季節じゃな。

台風一過というじゃろ?

大事が過ぎた後は

穏やかに晴れるんじゃ。

光にも弟ができたしの~。

わしも孫が増えた気分じゃ。」


「葵くんは大丈夫ですか?」


「血の気が多いから

少しは抜かれたほうがええんじゃ。

奴もやんちゃらしいからの。

男の子は一人前になるまで

苦労するわい!」


「二人は会ったのですか?」