叶野は取り調べ室にいた。

外には園田が無言で待っていた。


「俺がやったと言ってるだろう?

出頭して来た人間を疑うなんざ

警察も暇だねえ?」


そうは言っても

符号する点が少ない。


「凶器はどうしたんだ?」


「捨てたんだよ!

今頃はゴミの中さ」


誰かを庇っている人間ほど

つじつまを合わせたがる。


確かに悪い事をしてきた匂いは

消せないが、しかし・・・


担当の刑事はどこか府に落ちなかった。


叶野の目があまりにも

澄んでいたからだ。


<調査する必要があるな・・>


早く片付けろ!という叶野の自供を

長年の感から

そのまま信じる訳にはいかなかった。