奇跡的にみんなの祈りが通じた。
いや、この日のために
今まで棘の道を歩んできたとさえ
思われた。
ランプの点灯する手術室の前で
実麗と亜美は心配そうに
見守った。
間宮との約束を守り
これまで何も知らせずにきた
叶野は手術室から少し離れた
椅子にうずくまり
人知れず男泣きをしていた。
「葵、光坊ちゃんを救えるのは
この世でお前しかいない。
お前が刺したのは
お前の兄貴なんだ。」
その事実を伝えた時に
驚いて声も出ない葵に
「俺はお前を一人前の男にすると
兄貴の亡骸に誓ったんだ。
だから一度だけ俺の頼みを聞け。
お前の事は俺が守る。」
そう言って送り出した。
いや、この日のために
今まで棘の道を歩んできたとさえ
思われた。
ランプの点灯する手術室の前で
実麗と亜美は心配そうに
見守った。
間宮との約束を守り
これまで何も知らせずにきた
叶野は手術室から少し離れた
椅子にうずくまり
人知れず男泣きをしていた。
「葵、光坊ちゃんを救えるのは
この世でお前しかいない。
お前が刺したのは
お前の兄貴なんだ。」
その事実を伝えた時に
驚いて声も出ない葵に
「俺はお前を一人前の男にすると
兄貴の亡骸に誓ったんだ。
だから一度だけ俺の頼みを聞け。
お前の事は俺が守る。」
そう言って送り出した。