実麗も実は本当の事は

何も知らなかった。


精神的に不安定になるのを

防ぐために光の容態も

また、この複雑な事実も

知らされてはいなかった。


自分自身がこの複雑な

運命の輪廻の中にしっかり

組み込まれているとは

思いもよらないだろう。


ただただ、

光の回復を祈るばかりだった。


亜美も心配そうに

実麗に寄り添った。


いつものように、

軽口は叩けなかった。


事態はそれほど緊迫していた。