その時に知り合ったのが

叶野だった。


あいつは不動産業の傍ら

金融業もやっていた。


どうしても金のない時に

工面してもらった借金の為に

俺は取り立ても手伝うようになった


奴も苦労していた。



いつか、酒を飲んだ時

奴から兄貴が死んだと聞かされた


そして、その後お袋も死んで

兄貴の忘れ形見を引き取ったと・・



鬼のような形相で借金の取立てを

している裏で

自分の子でもない子を育てるという

仏みたいな顔を垣間見て

俺は奴に同じ匂いを感じた。



そして・・・

ある日、気づいてしまったんだ。