病院ではここに集まった

すべての者が

葵の到着を待っていた。


中でも間宮が危惧しているのは

もし、血液型が合わなかったら・・


こんな形であの子と

再会するなんて・・・


<運命とは恐ろしいものだ。

血の繋がりというのは

こんなにも強いものなのか・・>


美恵子と出会い恋に落ちた時

彼女は妊娠していた。


しかし、俺は引けなかった・・・


それを知って諦められる程の

やわな気持ちじゃなかった。


やんちゃばかりしてきた俺の

心を変えた女だったから

あいつが一人で生もうとして

別れるというのを

見過ごす訳にはいかなかった。


若気の至りか・・・?


親に迷惑ばかりかけてきた俺に

たった一つ見えた救いだった。